新型コロナウイルスによる検診・受診控えが増えているという現状について
コロナ禍で受診を渋っている人が実際にいるというニュースです。こちらのNHK NEWS WEBより。
これは由々しき事態です。病気は待ってくれません。10月に入り幸い小康状態の様相ですが、コロナ禍の状況にかかわらずワクチン接種、マスクやソーシャルディスタンスなど感染予防をきちんと取れば簡単に感染するものではありません。
当院に限らず各医療機関では感染予防対策を徹底を努めております。
乳房に気になることがある人、検診が空いてしまった人は、是非、安心して乳腺クリニックを受診することをお勧めします。
講談社ウェブマガジン”ミモレ”連載中第六弾 アンジーが選択した「予防切除」とは?「乳がんは遺伝するのか」という疑問に医師が回答
4月11日発行第五弾タイトル
”アンジーが選択した「予防切除」とは?「乳がんは遺伝するのか」という疑問に医師が回答”
こちらよりご覧ください。
乳がん治療中に患者さんへ向けた”コロナワクチン”に関する情報
新型コロナウイルスに対するワクチン接種が、高齢者に続き65歳以下の対象者にも始まっています。現在乳がん治療中の患者さんにとってワクチン接種への様々な疑問や不安を感じている方が多くいらっしゃるかと思います。そこで患者さんからよく聞かれる質問などを基に現時点で分かっている情報をお伝えします。お問い合わせの前にぜひご確認ください。
Q1. 乳がん治療中でも、新型コロナウイルスのワクチンを打ってよいですか?
ワクチンを接種しても問題ないと考えます。海外のデータでは、治療中のがん患者さんもワクチンを接種してよいとされています。なによりも新型コロナウイルスへの感染と重症化を予防することが重要だと考えます。接種のタイミングは、受けている治療によって異なりますので院長にご相談ください。
Q2. どこでワクチンが打てる?
お住まいの自治体や大規模接種会場、職域接種会場などで接種してください。当院では患者さん向けの新型コロナウイルスワクチン接種は行っておりません。
Q3. 自分は優先接種の対象になる?
厚生労働省が決めた接種順位は、①医療従事者、②高齢者(昭和32年4月1日以前に生まれた方)、③高齢者以外で基礎疾患を有する方や高齢者施設等で従事されている方、④それ以外の方となっています。このうち、③の「基礎疾患」の中にがん治療中の方も含まれます。ステロイドを使用している方や、肺や心臓の機能が落ちている方も対象となります。詳しくは厚生労働省のサイトをご参照下さい。
厚生労働省 新型コロナウイルスワクチン接種についてのお知らせ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00218.html
Q4.ワクチン接種後の副反応が心配です。
ファイザー社・モデルナ社製のワクチンでは、一部の方で接種後の発熱、倦怠感(だるさ)、接種した場所の痛みや腫れなどが報告されています。1回目より2回目接種後に副反応が出やすいこともわかっていますので、乳がん治療の直前にワクチンを接種することは避けた方がよいでしょう。
アナフィラキシーという重いアレルギー症状は、海外では100万人あたり10人程度とされています。ワクチンを接種した後は、しばらく接種会場にとどまり、体調の変化がないことを確認してから帰宅することになります。他の薬などで意識を失う、冷や汗が出て血圧が下がるなど、激しいアレルギー症状を起こしたことがある方は、あらかじめ接種会場の医師にご相談ください。
出典:厚生労働省 新型コロナウイルスワクチン接種についてのお知らせ より
参考リンク
・ 厚生労働省 新型コロナウイルスワクチン接種についてのお知らせ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00218.html
・日本癌治療学会,日本癌学会,日本臨床腫瘍学会(3学会合同作成)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A
-患者さんと医療従事者向け ワクチン編 第1版-
https://www.jsmo.or.jp/news/coronavirus-information/qa_vaccinel_3gakkai.html
講談社ウェブマガジン”ミモレ”連載中第五弾 今や「11人に1人」の時代に。乳がんが日本で増え続けるワケ
4月4日発行第五弾タイトル
”今や「11人に1人」の時代に。乳がんが日本で増え続けるワケ”
こちらよりご覧ください。
講談社ウェブマガジン”ミモレ”連載中第四弾 乳がんの再発・転移の確率は?乳腺専門医への取材でわかった、治療の最新事情
3月28日発行第四弾タイトル
”乳がんの再発・転移の確率は?乳腺専門医への取材でわかった、治療の最新事情”
こちらよりご覧ください。
講談社ウェブマガジン”ミモレ”連載中第三弾 マンモグラフィとエコー、片方じゃダメな理由と病院選びのポイント【乳がん検診】
3月21日発行第三弾タイトル
”マンモグラフィとエコー、片方じゃダメな理由と病院選びのポイント【乳がん検診】”
こちらよりご覧ください。
講談社ウェブマガジン”ミモレ”連載中第二弾 おっぱいチクチクは乳がん?乳腺症?乳腺専門医が教える乳がんセルフチェック法
3月14日発行第二弾タイトル
”おっぱいチクチクは乳がん?乳腺症?乳腺専門医が教える乳がんセルフチェック法”
こちらよりご覧ください。
講談社ウェブマガジン”ミモレ”にて『乳腺疾患』についてのインタビューが全10回で掲載されます。
いつも当院のホームページをご覧いただきありがとうございます。
この度当院の院長が講談社ウェブマガジン”ミモレ”にて取材を受け、3月7日より毎週掲載(全10回)されることになりました。
乳がんや乳腺の疾患についてわかりやすくご説明しております。
3月7日第一弾タイトル
”胸がチクチク、コロコロ…育児・働き世代を襲う乳がんの基礎知識”
ぜひこちらをご覧ください。
乳がんと検診について part2
乳がんは、定期的に人々の話題に上る身近な病気です。
死亡原因で5位、罹患率(乳がんにかかる率)では女性のがんの1位です。
最新の国立がんセンターの統計では、2015年に93.529人もの女性が乳がんに罹患しています。
特に働き盛りの女性や小学校や中学校、高校生のお子さんがいるお母さんの年代にピークがあることも特徴です。
がんは、ある日突然、細胞の中で設計図と違う遺伝子ができ、勝手に役に立たない細胞が増えた結果です。
役に立たないだけならまだしも転移して体中を蝕み、命を脅かす厄介者です。
「がんにならない」ための予防を一次予防といいます。
乳がんの場合、遺伝性乳がん家系の場合を除き、残念ながら一次予防はありません。
「より早くがんを見つける」二次予防が、乳がんで亡くなる方を減らす最も有効な予防策となります。
つまり乳がん検診です。
どうして早期発見が重要なのでしょうか。
それは、早く見つければがんが勢いをつける前にしっかり治療できるからです。
でも、中には抗がん剤治療を受ける人や再発してしまう人がいるのはなぜでしょう。
乳がんには性質の異なる以下の4つのタイプが存在します
① 比較的ゆっくり育ち、女性ホルモンに関係する治療に反応するタイプ
② どんどん育ち、抗がん剤治療が必要なタイプ
③ 早く育つが、特殊なタンパク質を持ち特定の薬が良く効くタイプ
④ ①や③の性質を併せ持つタイプ
①のルミナールタイプが最も多く約70%を占めます。
ゆっくり育つので乳がん検診がとても有効です。
一方、②のトリプルネガティブタイプは、速く育つため突然しこりを自覚して受診することになり、「1年前に検診を受けていたのに」というようなエピソードや、小林麻央さんのようなことごとく治療に抵抗するようなタイプですが、
実は全体の1割程です。
③のHER2(ハーツーと読みます)タイプは、治療成績がこの10年で飛躍的に良くなったグループです。ある程度進んで見つかることが多いのですが、治療に良く反応して再発する人が少ないタイプです。
つまり、多くの乳がんは検診で早期発見ができる上に、定期的に検診を受けたり、クリニックを受診して乳がんに対する意識を高めることで、②や③のタイプの乳がんが万が一出来ても、早くに気付くことができます。
この考え方を欧米では、Breast awareness(ブレストアウェアネス:当てはまる日本語はまだ作られていません)ということばを使って説明しています。
乳がんと検診について part1
乳がんは、定期的に人々の話題に上る身近な病気です。
死亡原因で5位、罹患率(乳がんにかかる率)では女性のがんの1位です。
最新の国立がんセンターの統計では、2015年に93.529人もの女性が乳がんに罹患しています。
特に働き盛りの女性や小学校や中学校、高校生のお子さんがいるお母さんの年代にピークがあることも特徴です。
がんは、ある日突然、細胞の中で設計図と違う遺伝子ができ、勝手に役に立たない細胞が増えた結果です。
役に立たないだけならまだしも転移して体中を蝕み、命を脅かす厄介者です。
「がんにならない」ための予防を一次予防といいます。
乳がんの場合、遺伝性乳がん家系の場合を除き、残念ながら一次予防はありません。
「より早くがんを見つける」二次予防が、乳がんで亡くなる方を減らす最も有効な予防策となります。
つまり乳がん検診です。
どうして早期発見が重要なのでしょうか。
それは、早く見つければがんが勢いをつける前にしっかり治療できるからです。
でも、中には抗がん剤治療を受ける人や再発してしまう人がいるのはなぜでしょう。
乳がんには性質の異なる以下の4つのタイプが存在します。
▶比較的ゆっくり育ち、女性ホルモンに関係する治療に反応するタイプ
▶どんどん育ち、抗がん剤治療が必要なタイプ
▶早く育つが、特殊なタンパク質を持ち特定の薬が良く効くタイプ
- ▶①や③の性質を併せ持つタイプ
①のルミナールタイプが最も多く約70%を占めます。
ゆっくり育つので乳がん検診がとても有効です。
一方、②のトリプルネガティブタイプは、速く育つため突然しこりを自覚して受診することになり、「1年前に検診を受けていたのに」というようなエピソードや、小林麻央さんのようなことごとく治療に抵抗するようなタイプですが、実は全体の1割程です。
③のHER2(ハーツーと読みます)タイプは、治療成績がこの10年で飛躍的に良くなったグループです。ある程度進んで見つかることが多いのですが、治療に良く反応して再発する人が少ないタイプです。
つまり、多くの乳がんは検診で早期発見ができる上に、定期的に検診を受けたり、クリニックを受診して乳がんに対する意識を高めることで、②や③のタイプの乳がんが万が一出来ても、早くに気付くことができます。この考え方を欧米では、Breast awareness(ブレストアウェアネス:当てはまる日本語はまだ作られていません)ということばを使って説明しています。
目白乳腺クリニック 院長 緒方 晴樹
乳房の痛み
「胸の痛み」で受診される患者さんが、結構いらっしゃいます。
様子をみても治まらず、不安がつのりネットを検索すると、そこには「癌(がん)」や「乳腺炎」といった恐ろしそうな言葉が登場してくることがしばしばありますね。
実際に、乳房の痛みで受診される方は、全体の70%近くになります。
そのなかで本当に乳がんの方は、1%にも満たないです。
乳腺炎は、授乳に関連しておこることが多く、発熱などの他の症状を伴います。
受診される方のほとんどの「痛み」は、生理の周期に伴うホルモン分泌の影響を受けて乳腺がむくんだために起こるものです。
マンモグラフィや超音波検査で、本当に痛みの原因となるしこりや異常がないことを確認しておけば安心ですよね。
原因を知ると不安や恐怖は取り除かれます。すると、痛みも不思議と和らぎます。
不安の種は、芽が出て根を張る前に除くに限ります。
コラムを始めます。
今後こちらでコラムを掲載していく予定です。